近年、異様な盛り上がりをみせているDTMなどの宅録ですが、便利なアプリが多数出現する中でも、やっぱり音作りにこだわりたいのがギタリストの性です。
今回は、宅録ギターの音作りについて、深堀していきましょう。
音作りと機材環境
ライン録りorマイク録り?
宅録ギターには大きく2つのレコーディング方法がありまして、ギターの音をケーブルでインターフェースに繋ぐライン録り、アンプなどの前にマイクを置いて録音するマイク録りのうちいずれを用いるかで音作りも変わってきます。
現状、ほとんどの人がライン録りになると思いますので、マイク録りの話はバッサリ切り捨てていきますね。
機材環境
①音作りをPC上でのみ行う場合
手元のアンプやエフェクターを一切介さずに、DIとインターフェースを経由してPC接続するパターンです。
この場合、音作りはPCにダウンロードしたプラグインのアンプシミュレーターなどで行います。
▼メリット
①フリーソフトを使って費用が抑えられる
②録音後も音色を自由に変えられる
▼デメリット
①プラグインの品質にこだわると高価に
②生音の感じが出しにくい
②音作りにエフェクターを参加させる場合
音作りはエフェクター上でほぼやっておいて、PC上ではパン(左右の発音位置)の振り分けやコンプレッサーなどの処理のみを行うスタイルです。
BOSSのGT-1などの代表されるマルチエフェクターは、インターフェースを兼ねていることもあるので非常に便利です。(こういう場合はインターフェース不要)
▼メリット
①エフェクターの個性が発揮されやすい
②場合によってインターフェース不要で接続が楽
▼デメリット
①録音後に音色を変化させるのが困難
③音作りはアンプで行う場合
硬派にアンプ上で音作りを行うパターンです。
アンプとインターフェースの間にエフェクターを入れることで、よりスタジオ環境に近い音作りっぽい感じになります。
▼メリット
①アンプやエフェクターの力が発揮される
②チューブ感などの味が出やすい
▼デメリット
①かなり高価な機材環境になる
②生かすも殺すもインターフェース次第
費用面、こだわりなど色々な要素が絡み合い、なかなかこれといった決め手にかけるセッティングですが、逆にいえばどれもアリという感じではあります。
個人的におすすめなのは、PC上で音作りをしてしまう①ですが、理由は録音の後から音を変えられるというポイント。優秀なプラグインがリリースされたときに簡単に置き換えできるのが魅力です。
宅録の音作り
結論からいうと、宅録の音作りはスタジオでのそれと考え方はけっこう近い。
スタジオではプレーヤーさんがそれぞれの好きな機材を集めて、その中でバランスを取りながら音を作っていきます。
その際にはドラムのスネアピッチやシンバルのレスポンス、ボーカルのイコライザー、ベースのコンプ、その他いろいろな音を調整すると思います。
ここまでは、一緒です。
決定的に違うのがパンです。
パンというのは、ステレオ音源をイヤホンで聴いた際に「アコギは右耳から聴こえる!効果音が左耳から聴こえる!」みたいな音の位置を決める作業です。
スタジオにおいては、人の立ち位置とかアンプの位置関係による音の位置づけはあるにせよ、右耳からしか聴こえない音、みたいなのは作ることは不可能です。
テクニカル面での違い
具体的な音作りでいえば、コンプレッサー/リミッターの役割が最も違います。
スタジオにおいても音粒を揃える目的で仕様されることもあるこれらのエフェクトですが、宅録においては音源の最終的なバランスに関わります。
コンプ/リミッターを適切にかけた音源は、録っただけの音源に比べてかなり聴きやすさに違いが出てきますので、録音したのち音源を何らかの目的で使う宅録の場合には必須のエフェクトになります。
結局、聞こえが良ければ何でもアリ
結論を行ってしまえば、人が聴いて気に入るものなら何でもOKです。
プラグインのクオリティは毎年良くなっていっていますので、ぜひぜひいろんな選択肢を考えて、自分のスタイルにあったものを選んでください٩(ˊᗜˋ*)و