「YouTube見てもわからなかった」
音楽教室で講師をさせていただくとこんな事を耳にします。
目の前で質疑応対してくれるレッスンと違って、一方的な情報提供であるYouTube。
大きな利点もあれば、同時に不利なポイントも見受けられます。
今回はYouTubeコンテンツの良い点などを書きつつ、今後のコンテンツ、教室の課題について触れていきます。
いつでもどこでも見れる
繰り返し何度でも確認できる
スロー再生などが便利
これらのメリットは対面レッスンでは実現不可能なため、それだけでも十分に価値があると思います。
また、画質は音質も年々向上していて、テレビのような見ているだけで楽しめるコンテンツとなっています。
しかしその見やすさを追求した結果、このようなデメリットも生み出しました。
詳しく説明されない
柔軟な質疑ができない
前述。YouTubeの動画コンテンツが再生されやすくなる要素としてシンプルである事が挙げられます。
テーマの大枠だけ説明し、個々に抱きそうな疑問のひとつひとつまでは言及しないスタイルを確立した結果、非常にスッキリと見やすいコンテンツになっていきます。
素晴らしい!と感心する一方、意図的に疑問を解決させないことで、関連コンテンツへ視聴者を移動させ続けるテクニックが潜んでいます。
動画の課題
YouTube動画の課題については、YouTubeのシステムが改良されることで次々にクリアされています。
たとえばセクション、再生リスト、チャプターなどで綺麗に整理されることで、見やすさは飛躍的にアップしました。
しかし、コメント欄などを見ていても質問者と配信者の間に言葉の食い違いがある事が多いし、 動画コンテンツが抱える「一方的である」ことはおそらく今後も(少なくとも当面は)改善されません。
動画は「いつでも見れて、かつ双方的」なコンテンツとなるべく試行錯誤が必要そうです。
教室の課題
教室では会話をベースにレッスンを提供するために、内容は極めて双方的です。
また、通う程にレッスン内容がアップデートされるので持続的な成長が見込みやすいです。
動画が実現している「いつでも見れる」を100%実現することは難しいと思いますが、LINEなどのチャットサービスとの連動で質問対応などを充実させたり、さまざまな努力の伸びしろを残しています。
一方で、そのたびに人が動くことで人的な限界があり、生徒さんが求める自由度にはどうしても程遠くなりがち。
教室としては、自由度と利便性の面で考えるべき課題がたくさんありそうです。
バランスよく使う
僕たちがYouTubeを上手く使うコツとしては、やはり個人での練習量をしっかり保持しつつ、ちょっとしたインスピレーションくらいでチラ見するほうが良いと思います。
上手い人の演奏はみているとやる気に繋がるし、繰り返し見ることで、あるとき突然腑に落ちることもあります。
個人練習のより良い方法を自分で見つけていく事が難しい…という場合には、教室の講師のサポートを受ける事も良い選択です。
YouTube、個人練習、教室、それぞれの良いところをピックアップして、楽しく上達してもらえたら良いなぁと考えます。