こんにちは、講師の糸数です。
以前書いた分数コードについて、「使い方が知りたい」というリクエストがあったので、書きます。
前も書いたように分数コードというのは、「ConB」または「C/B」のように、構成音はCだけれども最低音だけはBです。という和音の定義です。
CでもBでもない響きが得られますとも書きました。
そこで疑問となるのが、そんな独特なコードをどうやってはめ込むのかという事。
その方法を紹介します。
□ルート”下降”の手法
これが最も簡単で、効果も現れやすいと思います。
例をあげると以下のような感じ。
C – C/B – C/A – G
F – G – C
はい。
のっけからルートを下げていくパターンでした。
考え方としては「Cが変化していっているのね」と思ってください。
効果としては、Cの明るい響きを残しつつルートが変化するせいで、もの悲しくも優しい流れになる。といった感じ。
西洋クラシック音楽から受け継いだ伝統的な分数和音の使い方です。
ちなみに、楽器をやっている方からすると「ConA」という不可解な呼び名に引っかかると思いますが、これはダイアトニックでいうAm7と同じ意味です。
※ここではルートの下降を分かりやすくするためにあえて消化不良を起こしそうな表記にしましたのであしからず。
下降と同じ要領で”上昇”も試してみて下さい。
“上昇”はジャズっぽいフレーズを導く際には必須ですが、小難しいのでここでは省きます。
□ルートだけ”残す”手法
さっそく例を挙げます。
G – A/G – D/G – A/G
Bm – Bm/A – Esus4 – E
これです。
映像音楽でよくあるパターン。
かつてバッハが変奏曲やアリアで確立しました。
こちらは「コード進行上に”Gの足かせ”が掛かっている状態」です。
最初はルートだけずっとG。
おまけで2行目には下降パターンも組み込みました。
通して弾くと、1行目の雄大で力強い感じとの雰囲気の違いが分かり易いと思います。
上の2パターンはオーソドックスな使い方ではありますが、知っていると随分と幅が利くようになります。
是非使ってみて下さい。