人にものを教える

投稿者: | 2016年7月5日

糸数です。こんにちは。

こないだ生徒さんと話しをしていて「なるほど」と思わされたことがありました。

会話の内容を紹介します。
生徒A 「最近youtubeとかで、演奏の解説動画とかあるじゃないですか。あれを見てみてもいまいち分からないところがあるんですよね。」
僕 「ふむふむ、例えばどんなポイントでしたか?」
A 「口ではうまく説明できないんですけど…、なんか教わりたいのはそれじゃないんだけどなって感じです。説明通りにやってみても動画の人みたいには演奏できないですし。」
僕 「つまり教わりたい事が聞けないってことですかね?」
A 「そうっすね。動画なんであたりまえなんですけど。笑」
僕 「でも中には、自分のためになるなぁ!という物もあるでしょ?」
A 「ん~、、実際ぼくにとってはないかもです。自分のレベルが足りないからでしょうけどね」
僕 「謙虚な。笑 でも解説動画っていうのは、弾けない人のための物が大半なので、Aさんにとって価値が低いというのはいけませんよね。それでは結局あまり意味なさそう。」
A 「教室だと、何回も聞けることと、違った角度から説明し直してくれるので良いですよね。」
僕 「同じ説明だと飽きちゃうでしょ。笑」
A 「確かに、動画見てても2回目以降は説明を聞いてない事が多いですね。同じことを説明されても、それで出来ない場合はどうすれば良いか分からなくなってしまいます。」

といった内容の会話。
なかなかこれは痛いところを突く。という内容です。
というのも、演奏の解説動画というのはAさんが指摘した通り以下の欠点があります。

1、解説が不明瞭な場合、音を頼りにするしかない

2、説明されているポイント以外が気になっても説明されない

 

いずれも初心者のとっては致命的な欠点かもしれません。

なぜなら、上記が不足する事で、動画を見ている人は演奏者の音から情報を得る必要があるからです。
これは上級者の領域かもしれませんね。
ところがすごいメリットもあります。
1、いつでも確認できる(削除されない限り)

2、ほとんど無料である※
※通信料などを除外しています。

 

これらは僕の様にマンツーマンで教えている講師にとっては、絶対に実現できないメリットでもあります。

これらに価値を見出す事のできる動画に関しては、素直に「すごい良い動画だ」と思っていますので、よく生徒さんにも紹介したりしています。

但しAさんが問題としているのは「コンテンツの内容が初心者向けになっていない物がある」ということのようですので、そうなると上の2つのメリットは全く輝きません。
思うに、初心者の方が求める要素はいくつかあって、その中でも最も重要な事は「説明されたことを実践し、それが正解かどうかを示してくれる」という事だと思います。

ピッキングはこうやります、と説明されてやってみたところ、講師から「それで合っているよ」と言われて初めて「できた!」と実感することがファーストステップに必要なんだと思うからです。

思えば今まで、人から何かを教わった時には近くで「それで正解」と言ってくれる人がいました。

家では両親。

学校では友人や教師。

仕事なら上司、お客さん。
生徒さんにとっては僕がその存在であり、また今の僕にとっては生徒さんがその人であるのかもしれません。

改めて、人に何かを教えさせて頂くというのは相当に大変なことだと感じます。

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