【音楽系】オンラインレッスンには未来がない?!|2022年版解説

投稿者: | 2022年9月10日

2020年のコロナショック初期、ソーシャルディスタンス思考が音楽教室業界にひとつの言葉を生み落としました。

『オンラインレッスン』

従来の対面式レッスンで営業できなくなった事情もあって、オンラインは革新的なアイデア、救世主に思えました。
たぶんほとんどの事業者がZoomなどのアプリ環境を実装して、来るオンラインレッスンの大波に備えたと思います。

結果からいうと、オンライン楽器レッスンはまだどこも大成功していません。
そして現状で明るい未来は見えていません。
なぜなのか解説します。

無理に開かれた領域

さかのぼること2008年頃、英会話業界ではすでにSkypeレッスンがある程度普及していました。
若干の遅延やトラブルはあるものの、ネイティブと話せる機会は貴重だし海外に行くコストと天秤にかければかなり良い。
2018年時点でオンライン英会話業界は120億円規模にまで成長していたので、楽器レッスンもこれに追随すると見込むのは自然かもしれません。
(2020年度、オンライン英会話は220億円規模を突破)

でも楽器レッスンは2020年9月時点で、まだ芽生えの時期を迎えていません。
理由は以下です。

①動画市場が盛り上がった
②レッスン不要の楽器が売れた
③オンライン環境が急造すぎた
④レッスンへの理解が浅かった

①動画市場が盛り上がった

説明不要ですが、2020年の狂気的なおうち生活でYouTube見まくった人、(ついでに太った人)たくさんいたと思います。
YouTuberみたいな発信者もコンテンツ制作を頑張ったこともあって、楽器レッスン系動画も多く生まれました。
ユーザーに『え、これでええやん』と思われたのでレッスン受講の需要を満たしてしまった感じです。

【講師YouTuber】演奏解説系コンテンツの今後…

②レッスン不要の楽器が売れた

2020年以降、最も売れた音楽商材は「防音室」です。で、その次が『カリンバ』。
それまではあまり売れなかった商材が売れました。
防音室はいいとして、カリンバはとっても簡単な楽器です。
説明書を読むだけで演奏できる”レッスン不要”な楽器のため、楽器新規ユーザーにレッスン需要が発生しづらかった。

③オンライン環境が急造すぎた

2020年当時のZoomは音楽レッスンに使えるようなクオリティではありませんでした。
マイクや音響設定をどれだけイジっても、やっぱり生の楽器に憧れた人にとっては物足りなくて、逆にオンラインレッスン受講した人に失望を与える結果になりました。

Zoomの遅延や音質に対応したオンラインレッスン

私の周りでも楽器のオンラインレッスンを受講した人がいましたが、講師側もZoomの設定がよく分かっていない状況だったようです。
これって塾の先生がホワイトボードの使い方を知らないのと同じですから、まったくダメですね。

④レッスンへの理解が浅かった

そして、レッスンの提供側が「レッスンに来る」という行動の意味を読み解けていなかった、これが一番大きいです。
楽器を習ってみたい!と思った人はインターネットなどで教室を探し、『ここの教室は…イマイチ、ここは良いなぁ』と、取捨選択して教室を選びます。

教室選択のときの条件は

・立地
・料金
・講師

この3つすべて合格なら文句なし。

ではどれか1つだけ選ぶなら、どれですか?
たぶん重視されるのは『講師』だと思います。

駅から徒歩1分のダメ講師の教室より、徒歩15分の最高な講師のいる教室。
最高の講師なら比較的高くても満足できる。

では講師って何でしょうか。
それは「人」です。

では「人」とは何か。
これは「空間」です。

人が空間であるというのは、経験からみると簡単です。
嫌いな人がいたとします。自分の部屋いると嫌な気分になります。
好きな人がいたとします。自分の部屋いると良い気分になります。

同じ物理空間でも人が変わるだけでこんなにも変化します。
人は空間の雰囲気を作る最大の要因です。

「レッスン=人」であって「人=空間」
要するにオンラインは『空間の演出に完全に失敗している』ので、盛り上がらない。
ユーザーさんが満足できない要因はこれです。

一時期流行した「オンライン飲み会」はこの空間演出がなく、終了後の寂しさを根拠にあっという間に衰退しました。


■外国語モデル
「でも、英会話も人だよね?盛り上がってるじゃん」という批判もあると思います。
英会話と楽器レッスンは、まったく商材のキャラクターが異なり、顧客の求める要素も異なります。

楽器は興味なのに対し、英語はキャリアプランです。
キャリア実現のために高額な資金を投入する、思い切って留学をする、ストレスのある環境下で頑張る!のが英語です。

したがって 優先されるのは 人格ではなく、リゾルト(結果)です。
これは予備校の先生が気に入らなくても頑張って勉強するのと似ていますね。


話を戻してオンライン楽器レッスンです。
次に、盛り上がるタイミングについて考察します。

オンラインレッスン最盛期はいつか

これは結論、2024年以降です。
理由は、メタバースの進出が飛躍的に進むからです。

今までのオンラインレッスンは、テレビ電話っぽいことをインターネット回線でやっている状態です。
これがメタバースの応用で、どんどんゲーム化されていくと思います。

メタバースをどのように考えるか、いくつかアイデアがありますがこの場合
「仮想空間に街を作る」イメージです。
この街にはコンビニもあり、映画館もあり、神社もあります。実際の街と同じだけのサイズがあって歩き回れます。
当然音楽教室もあります。

このメタバースの教室内でオンラインレッスンを実施する業者が現れます。
おそらく2022年時点で存在する音楽教室業者ではない会社がやります。

課題もあります。
メタバースは現時点で街ひとつ作るくらいには発展していますが、まだコストがかかります。
あと、メタバースでの取引は円やドルなどの法定通貨ではなくクリプトです。仮想通貨ですね。
主婦にまでクリプトが浸透するのが2024年、この前段階で大幅なコストダウン、そして楽器界にはオンラインレッスンならぬ、クリプトレッスンが出現してくると思っています。

掲題「オンラインレッスンに未来はない?!」について考察してみました。
答え合わせは2年後ですね。近い未来で会いましょう。

それまで私は、今の会員さんが楽しめる空間づくりを頑張ります。

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