ギタリストの醍醐味といえる音作りですが、近年は優秀なアプリやDAWのプラグインの台頭でおおきく様相が変わってきています。
今回は、ぶっちゃけどっちの方が良いのか議論を、掘り下げていきましょう。
アプリで音作り?
そのまえに、アプリでギターの音作りをするとはどんな感じなのでしょうか。
Amplitube for iPhone はなんと無料でダウンロードできて、MESA BOOGIEやFenderをはじめ、有名なアンプを100種類以上のアンプ・ストンプ・エフェクターをモデリングしたアンプシミュレーター。
とにかく無料。
めちゃくちゃ音色が多いので、ギターの練習よりも音作りに時間がかかりそうですが、とにかく手軽で楽しい。それでいて音色も驚くほど良いのが特長です。
新旧・エフェクター
それでもやっぱりギタリストの心をつかんで離さないのが、コンパクトエフェクターと呼ばれる「ペダル」たち。
伝説的なギタリストはそれぞれ、伝説級の音を作り出しています。
そんなロマン思考でいけば当然歴史のあるペダル派に軍配が上がりますから、それは置いておくとして、令和のコスパ時代にエフェクターがどれだけ生き残っていけるのでしょうか。
憧れはアップデートされない
かつてBOSS社の第一号機としてこの世に出てきたOD-1(オーバードライブ)というのがありましたが、世界中で超ヒットとなり今なおユーザーが多い。
このOD-1、今は製造されていなくて、市場で見かけるのはすべて中古です。
現行品ではOD-3というのがリリースされていて、これもまた名器。
バージョンアップした新機種が出ているのに、旧型が大きなニーズを採っているのはなぜでしょうか。
たとえばパソコンであれば20年まえに発売されたモデルが今から大きなシェアをとる事は考えられません。
車産業界ではクラシックカーニーズなどもありますが、希少価値などから超高級になりがちで、当然シェアはごく小さい。
エフェクターが新旧でシェアを分けている理由は、人の音へのあこがれはアップデートされない事に求められそうです。
アプリで成しえないスタイル
エフェクターボードを組み込み、配線順を考え、曲中にペダルをグッと踏みこんでリックを演奏するスタイルこそが、ギタリストの本来の姿と思われている傾向もあります。
スマホを傍らに演奏するのがカッコいいといったマインドが育っていないうちは、エフェクターへのニーズは減らないかもしれませんね。
どっちがいい?
利便とコストパフォーマンスではアプリやプラグインが良いのは歴然ですが、エフェクターの目的というのは「欲しい音を作る」ことでした。
アプリで全てのギタリストの目的が達せられるかどうか、ここに大きく着目したいですね。
10年前ではスマホでエフェクターを兼ねるなんて思ってもみなかったのに、今や特別な事じゃない。これからどんなアプリ、エフェクターが出てくるのか非常に楽しみです。